第3回:「西へ東へ大移動」 その3

こんな考え方もあるんです

フロンティア精神で土地を切り拓く

これまでも何度か、私は中国の大連という都市について取り上げてきました。大連は、遼東半島先端部に位置し、日本とも縁の深い土地です。このブログでは歴史問題には触れませんが、とても活気のある都市です。
1984年に経済技術開発特区に指定されてから経済的な発展がはじまり、周囲の農村も比較的豊かであったため、「万元戸」が最初に現れたのもこの辺りです。とにかく、市場の無い所に市場を創るという逞しさと、今後の可能性という点では素晴らしい都市です。

そして皆さんもご存知の通り、中国は世界一の人口を誇る国。そのまま人の数がエネルギーとなっているかのように、さまざまな欲望が渦巻いています。「旨いもの食べよう」とか、「せっかくだから商売をしよう」とか、人と人のつながりも交流も驚異的な力強さをもっています。
希望と欲望に満ち溢れた彼らと、最終的な居場所があることに安堵している日本の若者の状況を比べると、十年後に日本が太刀打ちできる気がしません。確かに衛生面や個々のモラルの向上という点では改善していくべきところもありますが、ロンティア精神が息づいているのです。

ところで、「二十一世紀はアジアの時代」という言葉を聞いたことはありますか?アジアを知るための言語として中国語が広く学ばれていることや、台湾や東南アジア全域に広がる華人社会の役割を考えるとイメージしやすいかもしれません。彼らは現在までに蓄積されたネットワークを使い、国の経済に市場参入して大きな影響を与えていますが、元を辿れば中国本国から広がっていったマンパワーの結晶です。

私たちも彼らのように、西へ東へ散ってみる価値はあると思うのです。まずは国内からですが、今はどこにいてもできるSOHOという働き方も存在します。彼らが均等に都市を出て行けば土地の発展に結びつきます。北海道の夕張市以外にも、過疎化が進んで土地の余った地域は全国にあります。東京を中心に文化を展開していくと、西と東にも同じような都市が出現して平均化するでしょう。
やがて、各地に移り住んだ人々が日本の経済を押し上げる姿を想像するのは楽しいものですよ。
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