第2回:家の「住み替え」を軸に将来を考える その3

こんな考え方もあるんです

理想の男は“アッコちゃんのパパ”

ややマイノリティに属する価値観を抱きつつ、私は「リタイアしたらいろんな国に行って、様々な文化を見てみたい」という希望を持っています。順番に説明しますが、それは遺産相続云々のことからも、家は「残す」のではなく「そのうち売り払う」というスタンスでいるからかもしれません。

とは言っても、観光やバカンスを楽しむために世界を旅したい訳ではありません。実は見るもの全てを「これは何か商売にできないか」という目線で見てしまうので、観光ではなく、元気なうちにアクティブに世界を回ってみたいのです。当社では、住宅に関するコンサルティング業務以外にも、輸入インテリアや雑貨のご提案などを行っているため、私は月の半分を中国やドバイで過ごします。特に中東一の繁栄を誇るドバイは経済発展が著しく、その影響で他にもまだ見ぬ土地や人、物がたくさんあることを思うと一ヶ所に定住する人生は想像できないのです。もちろんこの夢を実現するには家族の了解は必要ですが、自分ひとりならキャンピングカーでの生活でも十分だと思っています。

家は「買うこと」だけを条件にすると、そこに「住み続けること」を基準にして物事を考えてしまいますが、このように思い切った未来予想図を立てることもできます。家をアクティブに使う人間がいても、それはそれで面白いのではないでしょうか。

また、唐突ですが、私の理想はアッコちゃんのパパです。「彼の職業は何?」と聞かれてパッと思い浮かぶ人は、余りいないのではないでしょうか。そのくらい影が薄いパパは、船長をしていてでほとんど家へは帰って来ません。しかしそこには愛情があって、家へ帰るとアッコはいつも暖かく迎えてくれます。
私自身も「働き蜂」なので、あちこちを飛びまわって仕事をしています。家が二つあるわけですが、それは今も家をアクティブなものとして捉えているからできるものです。第1回でお話したように、ライフスタイルは年々変化します。「残す」のではなく、「売却」もできるんだな、という選択肢があることをぜひ思い出してみて下さい。
⇒適値ブログ 連載コラム一覧ページへ戻る